高断熱のラインってどこから?

高断熱のラインてどこから?

近年よく聞くようになった【高断熱】 これってどこから高断熱といわれるのでしょうか。

高断熱がどれだけ高断熱かを見極めるには。

まず断熱性能を示す数値をご存知でしょうか。

代表的な数値は2つあります。

断熱性がわかる2つの数値
  • 【Ua値】…外皮平均熱貫流率
  • 【Q値】…熱損失系数 の2つになります。

【Ua値】とは

屋外に外皮(外気に触れている外壁、屋根、天井、床など)からどれだけ熱が逃げているかを示す値です。

住宅全体からの熱損失量と外皮合計面積で割った値がこの【Ua値】になります。

これは値が小さくなればなるほど高断熱となります。

w/㎡k(ワットパーヘーベイケルビン)で表します。

Ua値を出す計算式

【Q値】とは

住宅の熱損失量を合計し、延べ床面積で割ったものが【Q値】になります。

Ua値と同じく値が小さくなればなるほど高性能です。

w/㎡k(ワットパーヘーベイケルビン)で表します。

Q値とUa値は似て非なるもの

この数値一見同じように見えますが、違いがあります。

Ua値とQ値の違い
  • Ua値は外皮面積で割る
  • Q値は延べ床面積で割る

このUa値とQ値は似て非なる物です。

上で示した通り、Ua値は外皮面積で割り、 Q値は延べ床面積で割るのでQ値に関しては同じ断熱材を使っていても家の大きさ、形に数値が左右されてしまうのです。

以上の理由から 平成25年の次世代住宅省エネ基準ではQ値に代わってUa値が採用されました。

単純にQ値だけでは断熱性能を比べるまでの信用性はありません。

Ua値は0.46以下がベスト

これは地域によって定められた値【地域区分】というものがあります。

例えば弊社の有る静岡県三島市の地域区分は【6】になります。

断熱基準
地域区分123456
(三島市)
78
断熱等級40.460.460.560.560.750.870.87-
ZEH基準0.400.400.500.600.600.600.60-
HEAT20 G10.340.340.380.460.480.560.56-
HEAT20 G20.280.280.280.340.340.460.46-
HEAT20 G30.200.200.200.230.230.260.26-

この【6地域】では【Ua値】が0.46以下の物件が【HEAT20 G2グレード】(後にご説明します)となります。

この【HEAT20 G2グレード】とは、以下の表の通り体感温度がおおむね13度を下回らない、室温が15度以下になる割合が15%程度 となっています。

静岡県冬の最低体感温度15℃未満になる割合エネルギー消費
HEAT20 G213℃15%50%削減
HEAT20 G110℃20%30%削減
H28(通常の省エネ)8℃30%0%
※省エネ性能については、「省エネ基準の家」と比べた場合の%

国内トップクラスの断熱性を実現

弊社が手掛けさせていただいたK様邸もG2(0.39w/㎡k)グレードで建築しました。

室温を実際に計測させていただきましたが、外気温が氷点下の時間帯も床下の温度が15度、LDKは非暖房にも 関わらず18度をキープしていました。

弊社では最低G1グレード、基本的にはG2でご提案させていただいています。

残念なことに現在の日本の建築基準法ではこの断熱性能に関する厳密な決まりがありません。

他の先進国ではこの断熱性の厳格な基準を定めている国もあります。

弊社としてはこのUa値は0.46以下が理想と考えています。

じゃあ断熱だけちゃんとすればいいの?

じつはこの断熱性能をいくら高めても従来の日本建築のように隙間(家の中と外がつながっている)が 多いと断熱性能が発揮できません。

それどころかせっかく高い断熱性能を備えたのに隙間が多いと 結露などが原因で家をダメにしてしまうかもしれません。

このように家づくりは様々な観点から見ていく必要があります。

弊社が実施している住宅セミナーでは、どのようなポイントで家づくりを見ていけば良いか、しっかりとわかりやすくその基準をお伝えしています。

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